介護職選考の志望動機

介護職選考の志望動機

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【例文あり】介護職選考の志望動機の書き方と面接対策のポイントを解説します!

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2022.03.29

介護職の就職・転職には「志望動機」が大切

介護職への就職や転職をするときには、必ずと言っていいほど履歴書を作成するものです。そのなかで、「なぜ、介護職に就きたいのか」「なぜ、その介護事業所で働きたいのか」を伝える志望動機は、採用担当者が自社の採用ニーズと照らし合わせたり、将来性への期待度を見たり、自社の介護職員にふさわしい人を選んだりするために重要な項目です。
心で思っていることを伝わりやすい文章でまとめつつ、採用担当者に「自社で働いてほしい」と思ってもらえる魅力的な内容にする必要があります。いくつかのポイントをおさえて、あなたの魅力や関心が伝わる志望動機を書きましょう。
本コラムでは、介護職の志望動機の書き方のポイントや注意点、役に立つ例文などを紹介します。また、志望動機を語る場でもある面接についてのアドバイスもありますので、ぜひ、最後までお読みください。

介護職の志望動機 書き方のポイント

まずは、志望動機を書く際におさえるべきポイントから見ていきましょう。

 

自分自身の強みと応募先への興味や魅力を交えて、志望動機を整理する

はじめに、介護のお仕事で活かせると思う自分自身の強みや、応募先で興味がある部分や魅力を感じるところについて書き出し、整理しましょう。強みは、介護職としての経験だけではありません。家族を介護した経験、人と接するお仕事で培った接客スキル、「ありがとう」と言われるお仕事にやりがいを感じること、体力があること……などなど、介護職を目指すにあたって、未経験であってもそれぞれの強みがあるはずです。
書き出す際には、「やさしくて忍耐力がある」「やる気がある」「貴施設の将来性に惹かれた」などの抽象的な表現ではなく、自身がどのような介護を実践したいと思っているのか。新しい職場で何をしたいのか。なぜ、その事業所を選んだのかを、具体的に書きましょう。

 

過去の経験や実績を、具体的な数字やエピソードを交えて紹介する

介護職が未経験の人は、前(現)職での介護職につながる経験や実績、家族の介護経験や介護に対する思い、その経験をどのように活かしたいのかといった内容を書きましょう。介護職経験者は、今までの実績とその経験を通して学んだことを書いてください。その事業所への興味や関心に沿って、数字やエピソードなどを盛り込みながら具体的に記載しましょう。

 

志望動機は、前向きな内容を記載する<前(現)職への不満などは書かない>

志望動機は、採用担当者が読んで「この人に入社してほしい」「一緒にお仕事をしたい」と感じてもらえる前向きな内容にしましょう。前(現)職の人間関係への不満などは、「チームワークが苦手な人なのではないか」「コミュニケーションが難しい人なのではないか」という印象を与えてしまうかもしれません。自身が実践したい介護や、その事業所で活かしたい経験・スキルについて、謙遜や遠慮をせずに、アピールしてください。

 

応募先の特長に合わせた内容を意識して記載する

志望動機で採用担当者が見るポイントの1つが、「自社が求める人物像にマッチするか」です。会社が求める人物像を知るには、ホームページを見てみましょう。その会社の理念や、取り組み(例えば、地域交流など力を入れている活動や、設備、ICTの活用など)、キャリアアップ制度や研修制度などの制度面、応募者に求める資質など、その会社や事業所の特長を探り、その内容を意識して記載しましょう。

 

介護職の志望動機のパターン別例文

ここまで、介護職の志望動機のポイントを解説してきました。次に、志望動機の文章を実際にはどのように書いたらよいのか、を具体的にチェックしていきましょう。パターン別の例文を8個用意したので、自身に近い例を探して、参考にしてください。

 

例1:前職は接客業で、介護職は未経験の場合

学生時代から、人に喜んでもらえるお仕事、人のお役に立てるお仕事をしたいと考えてきました。15年ほど経験してきた接客業では、コミュニケーションを大切にし、お客様のニーズに応えることで、たくさんの「ありがとう」をいただき、やりがいを感じることができました。
介護職に興味を持ったのは、接客業で培ったコミュニケーション能力を活かすことができ、人の役に立つことができる、将来性のあるお仕事だと感じたからです。未経験からのスタートですが、せっかく挑戦するのであれば、キャリアアップやスキルアップを目指したいと考え、未経験者からベテランの方まで、サポート制度の充実した貴社を志望いたしました。
先輩方からしっかりと学んで、確かな技術を身につけながら、接客業に従事していた頃のように、ご利用者様から感謝される介護職員を目指したいと考えています。

【ポイント】
他の業種からの転職ですが、介護職を希望する動機や接客業での経験を介護に活かしたいという思いをしっかりと説明することが重要です。また、一見選考に不利に思える「未経験」という自分の状況も、会社のサポート制度のような具体的な特長に触れることで、積極性や会社への関心を見せることができます。

 

例2:家族の介護をきっかけに、未経験から介護施設での勤務を希望する場合

約2年間、認知症のある義母を在宅で介護してまいりましたが、3ヵ月前に義母がグループホームに入居しました。義母が集団生活のなかで自分のできることは自分でやり、助け合いながら楽しそうに暮らしているのを見て、グループホームでのお仕事は、一人ひとりの個性や能力を活かしてその人らしさをとり戻す、やりがいと責任のあるお仕事だと感じたため、グループホームでの勤務を希望しています。「ふれあいを大切に支え合い、その人らしい生活を楽しめる支援を」という貴施設の理念に深く共感し、応募しました。

【ポイント】
このように家族の介護の経験への思いを、しっかりとアピールできるとよいでしょう。もし未経験でも、介護の資格を取っているのであれば、介護職を志望する経緯と絡めて説明できます。また、資格を取っていない場合は、これから資格を勉強したい、といった積極的な姿勢を伝えると好印象です。

 

例3:キャリアアップのため、ホームヘルパー(登録ヘルパー)から正社員を希望する場合

私はこれまで訪問介護の登録ヘルパーとして勤務するなかで、「住み慣れた自宅で生活したい」「大切な家族と一緒に過ごしたい」というご本人やご家族の気持ちをくみとり、支援に取り組んできました。お仕事の経験を積むにつれて、介護職としてキャリアアップをしていきたい思いが強くなり、来年度には介護福祉士の受験を予定しています。
今回、貴社の正職員を志望しましたのは、将来的にサービス提供責任者を目指し、登録ヘルパーの指導やサポートも行うお仕事がしたいと考えるようになったからです。社内研修が充実しており、居宅介護支援事業所も運営している貴社であれば、今までの訪問介護の経験を活かしながら、キャリアアップを目指せると考えています。

【ポイント】
例文では、ホームヘルパー(登録ヘルパー)としての経験から得た訪問介護への思いを述べています。これまでの経験や抱いた思いから書き、キャリアアップを目指している気持ちを強く伝えられるとよいでしょう。具体的にどのようにキャリアアップしていくかをイメージして、社内研修など会社の特長に言及するのも効果的です。

 

例4:介護職内でキャリアアップし、管理職を目指す場合

3年前からデイサービスの介護職として勤務しております。デイサービスで有意義に過ごしていただくことは、帰ってからも健やかに過ごしていただくこと、夜にしっかり眠っていただくことにつながり、ご家族の支援にもなると考えています。そのため、ご利用者様に楽しんでいただけるアクティビティの企画やイベントを考え、実行してきました。
今後のキャリアアップを考え、日中の生活だけではなく、1日を通してご利用者様を支援するグループホームに興味を持ち、活動やイベントが充実している貴施設に魅力を感じました。「認知症対応型サービス事業者管理者研修」の受講も予定しておりますので、今までの介護職としての経験を活かして、ご利用者様やご家族、職員を大切にする施設運営ができるよう、管理職を目指していきたいと思います。

【ポイント】
今までの介護職で得た経験や考え、また、成果を具体的にアピールするとよいでしょう。そのうえで、施設の特長への興味、管理職を目指すうえで具体的な取り組みについて、明確に伝えることが重要です。

 

例5:職種転換し、生活相談員からホームヘルパー(訪問介護員)を目指す場合

私は今まで、サービス付き高齢者向け住宅にて、生活相談員として働いてきました。介護の現場に出ることはなかったのですが、祖母が他界した際に、最期まで自宅で生活できたことを喜んでいたと知り、在宅介護にもっと深く関わりたいと考えるようになりました。
今まで生活相談員として、ご利用者様のお困りごとに耳を傾け、ケアマネジャーやご家族などと連携してきました。生活相談員として培った視点と経験は、訪問介護員としても活かすことができると考えています。「最期まで自宅で生活したい」というご利用者様の希望を叶えられ、チームのメンバーとして連携を大切にできる、信頼される訪問介護員を目指していきたいです。

【ポイント】
生活相談員からホームヘルパー(訪問介護員)を目指す理由をしっかりと説明しましょう。そのうえで、異なる立場として介護に関わってきた経験をどのように次のお仕事に活かそうとしているのか、採用担当者に明確にイメージしてもらえるようにまとめていくことが大切です。

 

例6:職種転換し、事務職から介護職を目指す場合

私はこれまで事務員として、介護事業所の業務をサポートしてまいりました。ご利用者様を支える立場ではありますが、直接顔を合わせる機会はありません。人に喜んでもらえるお仕事がしたいと介護業界を選んで、事務員のお仕事に励んでまいりましたが、実際にご利用者様と関われる介護職員として働きたいという気持ちが強くなったため、今回転職を決意いたしました。介護職は未経験ではありますが、未経験者への研修制度の充実した貴施設で成長をしながら、確実な技術を身につけていきたいと考えています。

【ポイント】
なぜ、事務職から介護職への変更を希望しているのかを明確にしましょう。未経験者への研修が手厚いという施設の特長に触れることもポイントです。

 

例7:子育てが一段落して資格を取得し、フルタイムでの勤務を目指す場合

私は今まで、介護施設のパートタイマーとして、資格なしで携われる介護業務に従事してきました。子育てが一段落つき、フルタイムでより深く介護のお仕事に携わりたいと考え、介護職員初任者研修を受講しました。
介護業務と子育てを並行してきた経験から、介護と育児には、「相手の持っている能力を活かすこと」「焦らないこと」「相手の希望を汲みとること」が大切という共通項があることに気づきました。ワーキングマザーが多い貴施設なら、これからも介護のお仕事と子育てを両立しながら、育児経験を介護の現場に活かせると考え、応募いたしました。安心して働ける環境で、介護業務にも通ずる子育て経験をお仕事に還元しながら、長く会社に貢献できる人材になりたいと考えています。

【ポイント】
介護と育児の共通点から介護への考えをアピールするなど、身近な経験を通して介護への思いを提示できると、印象に残る内容にすることができます。
ワーキングマザーが多いなど施設の特長を挙げることで、施設への関心を伝えることができます。また、資格を取ったという実績で、介護により深く関わりたい姿勢を裏づけるのも効果的です。  

 

例8:夫の転勤にともなって転職する場合

夫の転勤にともない、今まで計3ヵ所のグループホームで働いてきました。これまでの経験を通して学んだことは、グループホームでは、ご利用者様の精神的な安定のために、一人ひとりに合った接し方や作業の進め方などを考えることが大切だということです。たくさんのご利用者様やスタッフと出会い、様々な介護の取り組み方やその施設ならではの工夫を学ぶことができました。
このたび、夫がまた転勤となり、自身の経験を活かせるグループホームへの転職を希望します。貴施設の「ふれあいを重視し、ご利用者様に寄り添う介護」という理念に共感し、今まで学んできたことを活かせる職場だと感じました。また、ご利用者様に安心して生活してもらうためにも、職員間のチームワークや信頼関係も欠かせないと考えています。ご利用者様、ご家族、職場の仲間との触れ合いを重視しながら、さらに認知症ケアのスキルを磨いていきたいです。

【ポイント】
転職が多いことはネガティブにとらえられてしまう場合もありますが、しっかりと理由を説明し、また今までの経験で学んだことを伝えることで、ポジティブな印象を与えられるようになります。グループホームでのケアについて、しっかりとした考え方を持っている点を伝えるとよいでしょう。

 

介護職の志望動機に書いてはいけないことや注意点

続いて、介護職に応募する際に、志望動機に書かないほうがよいことや注意点をまとめます。

 

志望動機が明確になっておらず、何を伝えたいのかがわかりにくい内容はNG!

抽象的な内容、要点やアピールポイントがまとまっていない内容は避けて、何を伝えたいのかを明確にしましょう。
例えば、「やる気があります」よりも、「ご利用者様にも、ご家族にも、喜んでもらえる介護を目指したいと考えています」と具体的に書くほうが、やる気は伝わります。また、「さらに自身のスキルを高めていこうと思っています」よりも、「さらに自身のスキルを高めていくため、研修制度が充実している貴社を志望しました」まで書いたほうが、明確で伝わりやすい志望動機になります。

通勤のしやすさなど、利便性だけを強調する書き方はNG!

給与や福利厚生などの待遇面について、正直に伝えたほうが採用後のミスマッチが起こりにくく、採用担当者としても率直に教えてもらいたい内容です。 ただし、志望動機が「家から近いので選んだ」などの内容だけになってしまうと、採用担当者に「通勤が楽だから選んだのか」「自社(あなたが応募する企業)のことをあまり知らないのではないか」と思わせてしまいます。
自分の希望に合致する条件だというだけでなく、企業理念への共感や、自分の経験が活かせる根拠などもしっかり伝えましょう。待遇や利便性に言及するときは、「育児との両立が無理なくできるから」など、自分の境遇にとってどうプラスになるのかを具体的に書くようにしましょう。

 

ネットの例文を書き写したような、自分の言葉で書かれていない、ありきたりな内容

当たり障りのない志望動機を書こうと意識しすぎて、ありきたりな文章や使いまわされた表現を使用するのは避けましょう。内容が薄くなり、あなたの魅力が伝わらなくなってしまいます。面接のときに直接口頭で志望動機を語る際も、自分の言葉で書いていない内容について話すのは難しいでしょう。自分の言葉で、自分の経験や生活のなかで感じてきた思いを説明することが大切です。

 

介護職の面接に臨むにあたって

面接は、志望動機を採用担当者に直接アピールできる場になります。伝える内容だけでなく、伝え方や、面接に臨む姿勢も重要ですので、しっかり準備をしておきましょう。

 

身だしなみに注意

面接時は、清潔感のある服装や髪型で会場に向かいましょう。ご利用者様との距離が近い介護職では、ピアスやネックレス、指輪などの装飾品はNGです。爪の長さが適切か、香水も含めて不快なにおいはしないか、などの介護職に求められる身だしなみを意識しておくとよいでしょう。

 

言葉遣いに気をつける

普段の話し方がつい出てしまわないよう、「です」「ます」「私」などは、最低限おさえておきましょう。ただし、言葉遣いを意識しすぎると、アピールが不十分になってしまうことがあります。事前に質問をいくつか想定して答えを練習して、当日は余裕を持って回答できるようにしましょう。

 

会場へのアクセスを調べて余裕を持った行動を

面接会場への遅刻は厳禁です。到着時間がぎりぎりになって落ち着く間もなく面接に臨むことのないように、前日までに行き方を十分に調べておき、当日は時間に余裕を持って行動しましょう。

 

履歴書の内容を覚える

面接で質問されることを想定して、しっかりと履歴書の内容を覚えておくようにしましょう。

 

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この記事では、介護職の志望動機を書く際に知っておきたいポイントや注意点を解説しました。あわせて、面接での注意点も紹介しました。
志望動機について、いくつかのパターンを挙げて例文を紹介しましたが、大切なのは「自分の言葉でポジティブに、志望動機を伝えること」です。ぜひ、このコラムを活用して、自分の魅力をアピールしてください。
また、自分がこれからどの職場で活躍したいのか、事業所を調べてみるのも必要です。
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